食生活全般の知識を備えたアドバイザーであることを認める食生活アドバイザー。
数ある食育系の資格の中でも試験範囲が広く、難易度が高いことで知られています。
そこで気になるのが「何級を受ければいいか」ということです。
同じ資格でも級によって受験資格や受験内容が違ったり、学習内容が大きく違う場合もあります。
主婦向けの級だと思ったら、食のプロを目指す級だった…などの失敗は避けたいですよね。
今回の記事では、あなたに合った級を選ぶために、食生活アドバイザーの級について徹底比較していきたいと思います。
食生活アドバイザーには実は1級はありません。初心者でも安心の3級と、ややプロ向けの内容の2級の2つの級があります。
この2つの級をあらゆる角度から比べながら、わかりやすくご説明してきましょう。
3級、2級の内容がわかれば、目指すべき級を決めることができるでしょう。
食生活アドバイザーには何級があるの?
食育の必要性が注目される中、様々な食育資格が人気を集めています。
その中でも、白石麻衣や仲里依紗さん、ローラさんなど多くの人気芸能人が取得した資格として大注目なのが食生活アドバイザーです。
しかし、「食生活アドバイザー」という言葉だけが広まっていますが、資格内容はまだまだ知られていないのが現状です。
特に民間資格は級がわかりにくいんですよね。
食育資格の中にも、級がない資格や、何級もある資格などさまざまな資格があります。
初心者向けの級から、プロのインストラクターになれる級まで幅広い級に分かれている場合もあります。
だから、食生活アドバイザーはどんな級があるの?と疑問に思っている方は多いでしょう。
食生活アドバイザーは1級がない!2級と3級だけ!試験内容&学習方法を比較しよう
今人気の食生活アドバイザーに挑戦してみたいけど、どんな級があるのかわからない…という方は多いでしょう。
食生活アドバイザーの級は2つあります。
初心者向けの3級と、やや難易度が高い2級です。
「1級はないの?」と思う方が多いと思いますが、この資格に1級はありません。
食生活アドバイザーの一番高い級を目指すなら2級ということになりますね。
でも、初心者だから3級を受けよう、より高い級を目指したいから2級を受けようと、何となく級を選んでしまうと、「3級だとあまり学べることが少なかった…」「やはり2級は学習期間が長すぎて大変だった」など、予想と違う場合があります。
そのような失敗をしないためには、2つの級の内容をよく把握することが大事です。
そのためには、試験内容と学習内容の大きく2つの内容を見ていく必要がありあす。
試験内容は、「受験資格」「試験会場」「試験日」「試験時間」「受験料」「出題範囲」「出題形式」「合格基準「合格率」。
学習方法は、「学習環境」「学習期間目安」「認定講座」「受講料」です。
まずはこれらの内容をまとめた表をご覧ください
級 | 3級 | 2級 | |
---|---|---|---|
試験 内容 |
受験資格 | 特になし | |
試験会場 | 札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、金沢、静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡 | ||
試験日 | 7月の第2日曜日、11月の第4日曜日 | ||
試験時間 | 10:30~12:30 | 13:30~15:00 | |
受験料(税込) | 5,000円 | 7,500円 | |
出題範囲 | 栄養と健康、食文化と食習慣、食品学、衛生管理、食マーケット、社会生活 | ||
出題形式 | マークシート問題 50問 | マークシート問題 42問+記述問題13問 | |
合格基準 | 選択問題1問2点、60点以上合格(100点満点) | 選択問題1問2点・記述問題1問3点、74点以上合格(123点満点) | |
合格率 | 約65% | 約40% | |
学習 方法 |
学習環境 | 通信講座or独学 | |
学習期間目安 | 約3ヶ月 | 約4ヶ月 | |
認定講座 | ユーキャン | ||
学校法人産業能率大学総合研究所 | |||
JMAM通信講座 | |||
受講料(税込) | ユーキャン:39,000円(2,3級) | ||
学校法人産業能率大学総合研究所:17,600円(2,3級)、15,400円(3級のみ) | |||
JMAM通信講座:15,950円(3級)、16,500円(2級) |
このように、3級と2級で共通している項目もあれば、それぞれの違う項目もありますね。
それでは、1つずつ見ていきたいと思います。
受験資格:2級の3級も「なし」
まず受験資格から見ていきます。
国家資格の場合は、通学や実務経験が必要になる場合が多く、民間の食育資格の中にも通学や通信講座の受講が必須の場合もあります。
また、級によっては厳しい受験資格があるという資格も少なくありません。
しかし、食生活アドバイザーは3級も2級も受験資格がありあせん。
どなたでも受験することができます。
3級を持っていなくても2級から受けることも可能なのです。
また、2級と3級をダブル受験することOK。ダブル合格を目指して受験する方は少なくありません。
試験会場:3級も2級も同じ会場
次に試験会場を見てみましょう。
上表にあるように、毎年全国十数ヵ所で実施されていて、3級も2級も同じ場所です。
開催都市は事前に公表されますが、具体的な場所は、試験日直前に受験票が届いた時点で知らされることになります。
試験日:3級も2級も同じ日
試験日も3級も2級も同じです。
これに準じて出願期間などの日程も全て同じになっています。
食生活アドバイザーの詳しい日程はこちらの記事「食生活アドバイザーの試験日程やスケジュールについて」でご説明していますので、合わせてご覧ください。
試験時間:3級は午前、2級は午後
試験会場、試験日は同じですが、試験時間は異なります。
上表のように3級は午前、2級は午後に行われます。
試験時間がかぶっていないので、3級と2級のダブル受験が可能ということですね。
試験時間はどちらも90分間となっています。
受験料:2級のほうが高い
次に受験料をご覧ください。
受験料は上の級である2級のほうが、高くなっていますね。
ダブル受験する場合は、単純に3級と2級を合わせた金額になります。割安になるわけではありませんのでご注意ください。
出題範囲:3級も2級も同じ
食生活アドバイザーの特徴は2つの級の試験範囲が同じということです。上表のように6つの科目から3級も2級も満遍なく出題されることになります。
ざっくりと言うと、3級で出題されるのは基礎編、2級は応用編の問題です。
この科目ごとの試験内容は、次の章で詳しくご説明していきたいと思います。
まずは、3級も2級も同じ試験範囲であることを頭に入れておいてくださいね。
出題形式:3級と2級で大きく異なる
次に出題形式を見ていきます。
試験範囲は同じ3級と2級ですが、出題形式は違います。
3級と2級の違いの中で、これが最も大きな違いになりますので、詳しくご説明しますね。
3級はマークシート問題50問。マークシートは5つの選択肢の中から1つ選ぶ形式です。
2級はマークシート問題 42問と記述問題13問。
マークシートは6つの選択肢の中から1つ選ぶ形式なのですが、6つの選択肢の中に「該当なし」が含まれるのが3級との違い。
つまり、他の5つの選択肢全てをつぶさないと「該当なし」を導くことができないので難しくなります。
さらに記述問題もあるので、難易度がぐんと上がりますね。
問題数も2級のほうが多くなります。
合格基準:3級も2級も約6割で合格点
上表にあるように、2級も3級も約6割以上で合格点ということになります。
合格ラインはどちらも低めに設定されてると感じますね。
合格率:2級のほうが低い
食生活アドバイザーの認定機関であるFLAネットワーク協会は、3級、2級の合格率を公表しています。
3級は6割以上ですが、2級は4割ということで、半分以上の方は不合格という難しい級であることがわかりますね。
学習環境:3級も2級も同じ
ここからは、学習内容について見ていきましょう。
下の級は通信講座、上の級は通学など、級によって学習環境が異なる資格もありますが、食生活アドバイザーは3級も2級も同じです。
受験資格がないので、テキストを買って勉強し、試験だけ受けるという独学スタイルでもOK。
通信講座を受ける場合は3つの認定機関から選ぶことができます。
学習期間目安:2級のほうが長く必要
学習期間は個人差があるので一概に言えないのですが、目安として3級だけの場合は3ヶ月、2級も受けるなら4ヶ月が標準です。
1日1時間ずつ勉強し、6つの
もっと詳しい学習期間については、こちらの記事「食生活アドバイザーは何ヶ月で取得できるか?」でお話したいと思いますので、気になる方はぜひご覧ください。
3級も2級も試験範囲は同じなのですが、3級は基礎、2級は応用的な問題が出ることから、テキストは別々になっています。
そのため、2級を受ける場合も3級のテキストから勉強する必要があるため、学習期間は長くなるでしょう。
認定講座、受講料:おすすめはユーキャン
最後に認定講座について確認しておきましょう。
食生活アドバイザーの認定講座は、上表の3つの講座になっています。どの講座を受けても良いのですが、当サイト一押しはユーキャンです。
受講料は少し高いですが3級も2級も同時に勉強することができます。教材もサポート体制も非常に充実しているので、効率よく合格を目指すことができます。
せっかくお金を時間をかけて勉強するなら、より合格に近付けるユーキャンが良いでしょう。
ユーキャンの食生活アドバイザー講座はこちらからご覧いただけますので、チェックだけでもしてみてはいかがでしょうか。
食生活アドバイザーの2級、3級の学習内容を比較しよう
ここまで食生活アドバイザーの3級と2級の試験内容、学習方法について詳しく比較してきました。
2つの級の違いについて理解が深まってきたと思います。
ここからは上表にもある「出題範囲」について深掘りしていきましょう。
つまり、試験に向けてどんな学習をするかということですね。
どちらの級を受けるか検討する上で学習内容はとても重要ですよね。
この資格は3級も2級も出題範囲が同じなので少しわかりにくいかもしれません。
6つの科目の3級、2級の学習内容を見ていきたいと思います。
3級と2級は違う立場から考える
まず覚えておいていただきたいことが、同じ学習範囲であっても、3級と2級は違う立場から食知識を捉えるということです。
3級は「消費者の立場」から食生活を改善していきます。
スーパーでの買い物や家族の食事など、主婦目線で知りたい知識を学ぶということですね。
2級は「食を提供する立場」から食ビジネスの視点で食問題を考えていきます。
こちらは、家庭での食事だけでなく、飲食店や施設などで求められる食の知識を学ぶということですね。
このような違いから、3級は基礎、2級は応用という勉強内容になっています。
3級と2級の6つの試験科目
それでは具体的にどんな知識を学ぶのかご説明していきましょう。
食生活アドバイザーは栄養と健康、食文化と食習慣、食品学、衛生管理、食マーケット、社会生活の6つの科目について学びます。
詳しくご説明していきましょう。
①栄養と健康
この科目で学ぶは、食の基本である栄養と健康についてです。
3級では、健康のための3本柱である「栄養・運動・休養」の視点から、健康について広い視野で捉えていきます。
健康管理の基礎を学んでいく科目ですね。家族の健康サポートができるような知識が身につくでしょう。
2級では、この基礎知識を踏まえて、トータル的に健康に関するアドバイスをする方法や現代人の「健康」の意味を学習していきます。
周りの人に健康と食の提案をしていくために、よりプロフェッショナルな知識が求められますね。
②食文化と食生活
この科目で学ぶのは食文化と食生活についてです。
3級では食習慣やマナー、テーブルコーディネーションなどを学びながら、食事を美味しく、楽しいものにするための基礎を勉強します。
家庭の食事をより豊かにできたり、子供の食育にも役立つ知識が身につくでしょう。
2級では行事食などの食文化や、食習慣や食事マナー、テーブルコーディネーションに加えて食配膳ルールまで、より専門的な内容を勉強していきます。
3級は家庭に活かすことを目的としていて、2級は飲食店や施設などでも応用できるような内容を学んでいく感じですね。
③食品学
この科目で学ぶのは、食育資格に欠かせない食品学についてです。
食品の分類法の知識を備えた上で、食品表示、アレルギー表示、栄養表示について学んでいきます。
3級では、実生活の中でのスーパーやコンビニでの利用術を学び、賢く買い物することと、安心安全な食材を選ぶことを目的としています。
2級では食品の期限表示、食品表示チェック、食品の分類と概要などを学びます。
環境問題から食品添加物まで、より専門的な内容を学習していきます。
専門的な用語が多い科目なので、初心者の方はやや難しいかもしれませんが、実生活での活用法と合わせて勉強することで理解しやすくなるでしょう。
④衛生管理
この科目で身につける知識は、食の安全に重要な衛生管理について学びます。
食中毒予防のための衛生管理、ゴミ処理問題、リサイクル問題などの環境問題に関しても勉強していきます。
3級では、家庭の食卓をテーマに沿った衛生管理について、2級ではプロ目線での衛生管理について学習します。
2級では食品衛生、食中毒の予防、食品化学や衛生管理の注意点から、HACCP方式による安全な食べ方などまで詳しく学んでいきます。
⑤食マーケット
この科目で身に着ける知識は、食マーケットに関することです。
3級では消費者として小売の形態、流通、物流について学んでいきます。
食業界の全体像を知ることで、賢い消費者になれますね。
2級では「ミールソリューション」「ホームミールリプレースメント」という現代の食業界の実態を学んでいきます。
食を提供する視点で、食品販売、メニューメーキングなど、フードサービスに役立つ知識を勉強していきます。
食業界で活かせる実践的な知識を身につけることができますね。
⑥社会生活
この科目で習得するのは社会生活に関わることです。
食生活アドバイザーは広い視野で食に関する問題を捉えることを目的としています。
3級では、日常生活に活かすために知恵を多く学ぶことができるので、より広い視点で食改善ができるようになります。
世の中のしくみを知ることで、やりくり上手になれるでしょう。
2級では、「ヒト・モノ・カネ・情報」を通して、経済と消費の仕組みを学んでいきます。
消費者問題、環境問題だけでなく、IT社会における消費生活まで考えていくので、より専門知識を習得できるでしょう。
このように、食生活アドバイザーの3級と2級は学習する範囲は同じですが、3級は消費者として主婦としての立場から家庭の食を改善することを学びます。
内容は基本的なことが多く、試験の出題内容も比較的易しいです。
2級は食ビジネスの現場で食を提供する立場からより実践的な知識を習得すること目的としています。
3級で学んだ基礎を踏まえた上で応用的な知識を覚えていくことになるので、ぐんと難易度は高くなりますね。
3級と2級の難易度についてはこちらの記事「食生活アドバイザーの3級と2級の難易度について徹底解説!」で詳しくお伝えしていますので、ぜひご覧ください。
このような学習内容の違いを把握して、どちらの級にチャレンジするか決めてくださいね。
食生活アドバイザーに1級はない。2級と3級の違いを把握してどちらを受けるべきか判断しよう
今回は、「食生活アドバイザーには何級があるの?何級を受けるべき?」という問題について考えてきました。
食生活アドバイザーは初心者向けの3級、やや難しい2級に分かれています。
もともと1級はないのでご注意ください。
食生活アドバイザーを受けたいけど、食の知識がないから心配…という方は3級から挑戦すれば良いですね。
職場などでも活かしたいから上の級を狙いたいという方は、1級はないので2級を受けることになります。
今回ご紹介した試験内容、学習方法、学習内容を比較して、あなたに合った級を選んでくださいね。
どちらも試験範囲が広いので簡単に取れる級ではありませんが、受験資格はないので、計画的にコツコツ頑張ればどなたにもチャンスがある資格です。