食育インストラクターは食育について広く学ぶことができる資格です。
上の級を取得すれば食育の指導者として活躍することもできるでしょう。
しかし、本格的な食育資格であっても、栄養士や調理師のような国家資格ではありません。
だから「この資格を取っても履歴書に書ける?」「この資格を活かせる就職先ってある?」と疑問に思う方は多いでしょう。
せっかく取得するなら履歴書に書くことができて、就職で優位になれるような資格が良いですよね。
結論から申し上げますと、食育インストラクターは履歴書に書くことができて、様々な就職先に活かすことも可能です。
ただし、いくつか注意点もあるのでご説明していきたいと思います。
今回は、食育インストラクターを履歴書に書くコツ、活かしやすい就職先について詳しくお伝えしていきましょう。
食育インストラクターの資格は履歴書に書いても大丈夫?就職先はある?
食育インストラクターの資格を取りたいと思っても「履歴書に書けるか」「就職先はあるか」ということが気になりますよね。
この問題がモヤモヤしたままだと、前向きに取得する気持ちになれません。
まずは、この問題を深掘りしてみたいと思います。
食育インストラクターの資格は履歴書に書いて良いかわからない
食育インストラクターは食育に関する知識、技術を一通り学ぶことができる資格です。
しかし、NPO日本食育インストラクター協会が主催する民間資格であり国家資格ではありません。
栄養士や調理師などの国家資格なら当然履歴書に書くことができますが、食育インストラクターは資格として書いても良いものなのでしょうか。
もし書いたことがマイナス要因になったら困りますよね。
食育インストラクターの資格が活かせる就職先があるのかわからない
食育について広く学べる食育インストラクターですが、プロ向けの国家資格とは違います。
特に初心者向の級であるプライマリーは主婦が家庭の中で活かせる資格とされています。
仕事よりも趣味として楽しむための資格であるため「この資格が活かせる就職先はある?」と思ってしまいますよね。
就職で優位にならない資格なら取っても意味がないという方もいるでしょう。
このように食育インストラクターは国家資格ではなく趣味に近い資格なので、履歴書に書いたらマイナス要素になりそう…、せっかく頑張って取得しても就職先がなかったら困る…と不安になるでしょう。
この問題がクリアにならないと、食育インストラクターに前向きになれません。
次の章では、「履歴書に書けるか」「就職先はあるか」の問題について考えていきたいと思います。
そもそも食育インストラクターの資格の内容とは?5つの級に分かれている
食育インストラクターは「履歴書に書けるか」「就職先はあるか」問題について考える前に、食育インストラクターの資格の内容について確認しておきたいと思います。
この資格は5つの級に分かれているため内容が少し複雑です。
そもそもこの内容がわからないと、「履歴書に書けるか」「就職先はあるか」の検証ができませんので、ここでご説明しておきますね。
食育インストラクターは、初心者向けの資格からプライマリー→4級→3級→2級→1級と5段階に分かれています。
級ごとの内容は以下になります。
- 1級:食育の専門知識を持ち普及活動できることを証明する資格
- 2級:食育の基礎知識をわかりやすく伝えられることを証明する資格
- 3級:食育の重要性の理解、料理技術の向上、家庭での食育実践ができることを証明する資格
- 4級:食育の基礎知識、家庭料理の基礎技術を持つことを証明する資格
- プライマリー:食育の基礎知識を身につけていることを証明する資格
大まかに、このような内容の級に分かれていることだけ頭に入れておいてくださいね。
もっと詳しい級ごとの取り方や受験資格などは、こちらの記事「食育インストラクターの取り方は受験資格を徹底解説!」で詳しく解説したいと思いますので、ぜひ合わせてご覧ください。
食育インストラクターの資格は履歴書に書いてOK!ただし書き方には注意が必要
食育インストラクターの資格内容について把握したところで、まずは「履歴書に書けるか」問題から考えていきたいと思います。
食育インストラクターは履歴書に書くことができます。
食育は、平成17年に制定された食育基本法の中で「健全な心身を培い、豊かな人間性を育むために食に関する意識を高める」ことを目的に推進されている国民運動です。
国を挙げて推進していることなので、食育にマイナス要素はありません。
特に食育インストラクターは、食育資格の中でも食育の第一人者である服部幸應先生が手掛ける資格なので、ネガティブな要素になることはまずないでしょう。
ただし、書き方には注意が必要。資格の欄に書かないこと、自己PRも一緒に書くことがポイントです。
詳しくご説明しましょう。
「資格」の欄には書かない
食育インストラクターは資格の一つではありますが、国家資格ではありません。
そのため履歴書の「免許・資格」の欄に書くよりも、「志望の動機、自己PR、趣味、特技など」の欄や、「本人希望記入欄」などの欄に書くと良いでしょう。
「免許・資格」の欄には国家資格を書くことが主なので、面接官から「食育インストラクターは国家資格じゃないのに…」と思われてしまうかもしれませんね。
「免許・資格」以外の趣味や特技等の欄なら堂々と書くことができるのでおすすめです。
ただ「食育インストラクター取得」と書くのではなく、「〇年△月(取得した年と月) NPO日本食育インストラクター協会主催 食育インストラクター〇級 取得」と詳しく書くと良いでしょう。
自己PRも一緒に書く
もう一つのポイントは、自己PRも一緒に書くことです。
国家資格の場合は面接官もどんな資格か理解しているでしょう。
でも食育インストラクターの場合は「どんな資格なの?」と思う面接官もいるでしょう。
ただ資格名だけ書いていても面接官の目に留まらないかもしれません。
プライマリーであれば「食育の基本として、食材の選び方、食事のマナー、日本の食の問題などを学びました」などのコメントを添えておくとわかりやすいですね。
さらに重要なのは自己PRも一緒に書くことです。
面接官に興味を持ってもらえること、自分の頑張りを伝えることができる内容を書いておくと良いでしょう。
「資格を取ろうと思ったきっかけ」「どんな知識を得られたか」「実際にどんなふうに活かしているか」などの内容を書いておくと、面接の中でも面接官に質問される可能性が高くなりますね。
その上で、志望する業界の中でどのように活かせるか書いておくことも重要です。
例えば飲食業界であれば「資格取得で得た、旬の食材や安心安全の食材を見分ける力を、食材仕入れに活かしていきたいです」など、具体的に書けると良いですね。
このように、履歴書の資格ではなく趣味などの欄に書き、自己PRに繋げる内容を書いておけば、効果を発揮できるでしょう。
でも、どんな業界でも食育インストラクターの資格が活かせるわけではありません。
食育インストラクターの資格を活かしたいのであれば、食育インストラクターが活躍できる就職先を選ぶことが重要です。
次の章では、具体的な就職先をご紹介したいと思います。
食育インストラクターの資格を活かせる就職先は?食育業界から料理教室まで幅広い
食育インストラクターは履歴書に書いて就職活動に役立てることができます。
ただし、どんな業界でも良いわけではありません。食育インストラクターの資格を活かせる就職先を選ぶことが大事です。
「食育インストラクターは栄養士などの国家資格じゃないから仕事に活かすのは無理そう…」と思う方が多いですが、実は食育のプロを求めている業界はたくさんあります。
しかも食育インストラクターは数ある食育資格の中でも知名度も信頼度も高い資格なので、活躍できる場はたくさんあるでしょう。
具体的には「食品業界、飲食業界」「保育業界」「教育業界」「介護福祉業界」「家事代行業界」「料理教室など」が挙げられます。
詳しくご説明していきますね。
食品業界、飲食業界
食育インストラクターは、食品学をはじめ、食材の選び方、栄養バランスの良い食事作りなど、家庭料理だけでなく食品業界や飲食業界でそのまま活かせる知識も学びます。
食に関して幅広い視野を持てるようになるので、旬の時期、栄養、ライフステージに合わた食品開発などに知識を役立てることができるでしょう。
商品の企画、開発スタッフとして活躍できるかもしれませんね。
また、レストランなどの飲食業界では、食材の仕入れ、新メニューの考案などに知識を役立てられるでしょう。
安心安全で、かつ旬で美味しい食材を選ぶことができる人材は貴重な存在と言えます。
保育業界
最近は幼稚園や保育園でも食育指導に力を入れています。
小さい頃から食事の楽しさや大切さを知ることは、子供の将来に大きな影響を与えます。
早い段階から、正しい食事マナーを身につけることもとても大事ですね。
幼児に正しく食育指導できる人材は保育の現場でも重宝されるでしょう。
また、子供だけでなく保育者や保護者にも食育の知識を伝えられることも強みになります。
教育業界
成長期である小学校、中学校の食育はとても大事です。
子供が自ら栄養バランスや旬の食材、安心安全な食材に興味を持つことで、心身ともに豊かな生活を送れるようになるでしょう。
また最近は子供の肥満傾向、瘦身傾向、栄養の偏りなどが問題視されています。
正しい食育知識を持ち、子供たちに食育の大切さを伝えられる食育インストラクターは、教育の現場でも求められる人材と言えるでしょう。
介護福祉業界
高齢化社会が加速する中、介護の現場でも食育知識は大いに生かされています。
多様な高齢者の食事を提供する高齢者施設では、利用者さんに合わせた食べやすい食事、栄養バランスの良い食事が求められます。
また、高齢者が旬の食材や行事食を楽しむためにも、食育インストラクターの知識が活かされるでしょう。
食育知識が豊富であれば、介護福祉業界でも活躍できるはずです。
家事代行業界
高齢者世帯や共働き夫婦が増える中、家事代行サービスを利用する方が増えています。
そんな家事代行業界でも食育知識を活かすことができるでしょう。
家事代行業務の中でも特に重要なのが食事です。
家事代行サービスでは、美味しい料理、栄養バランスの良い料理だけではなく「時短料理」が求められます。
食育インストラクターの資格取得のためには、家庭料理の基礎的な知識、技術を学ぶので、時短料理上手になれるはず。
家庭代行業務の中で多いに力を発揮できるでしょう。
料理教室など
最後にご紹介するのは料理教室などです。
食育インストラクターは国家資格ではありませんが、料理教室やパン教室などの個人スクールを開く際には効果を発揮するでしょう。
何も資格のない先生より、食育インストラクターの資格を持つ先生の教室のほうが魅力的に見えますよね。
また、実際のレッスンの中でも、食材について、栄養について、調理のコツについてなど、正しい知識を伝授することができるので、生徒さんからの信頼を得ることができるでしょう。
国家資格とダブルライセンスでさらに活躍の場が広がる
このように、食育インストラクターの資格は様々な就職先で活かすことが可能です。
国家資格のように「食育インストラクターを持つ人材を募集」という求人はなかなかありませんが、履歴書に書いて自己PRに繋げることができますね。
でも「もっと確実に就職に繋げたい」という方もいるでしょう。
その場合は食育インストラクターの資格だけでなく、国家資格と合わせることが必要になってきます。
ダブルライセンスなら、より食育インストラクターの資格を活かすことができるでしょう。
食育インストラクターと一緒に取得することで就職が優位になる国家資格は、栄養士、管理栄養士、調理師、保育士、介護福祉士、栄養福祉士、歯科衛生士などです。
まずは食育インストラクターを取得してみて、食に関する仕事への興味が強まった場合には、国家資格に挑戦するという選択肢もありますね。
まずは第一歩である食育インストラクターのプライマリーを取得しようという方は、こちらから通信講座「がくぶん」の無料資料請求ができますので、利用してみてはいかがでしょうか。
通信講座の評判や受講するメリットなどは、こちらの記事「食育インストラクターの通信講座がくぶんの評判やメリットは?」でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
食育インストラクターは履歴書に書いてOK。資格を活かせる就職先もある
今回は、食育インストラクターは「履歴書に書けるか」「就職先はあるか」という問題について考えてきました。
この資格はあくまでも民間資格であり国家資格ではありません。
しかしながら、食育に関心が高まる中、正しい食育知識を備えた人材は多くの業界で重宝されるでしょう。
「食品業界、飲食業界」「保育業界」「教育業界」「介護福祉業界」「家事代行業界」「料理教室など」を希望する場合には、食育インストラクターの知識が役立つかもしれません。
ただし、履歴書に書く場合は、資格欄以外に書くこと、自己PRなども一緒に書くことが大事。
面接官に食育インストラクターに興味を持ってもらえるように、工夫してみてくださいね。