数ある食育資格の中でも人気、知名度ともに高い食育インストラクターと食生活アドバイザー。
芸能人に人気の資格、初心者でも目指せる資格、食育について幅広く学べる資格と共通点が多いので、どちらの資格を取ろうか迷っている方は多いでしょう。
そこで今回の記事では、食育インストラクターと食生活アドバイザーの違いを知るために、「認定機関」「受験資格」「取り方」「学習内容」「費用」という5つのポイントを詳しく比較していきたいと思います。
似たように見える2つの資格ですが、この5点を比較するとそれぞれ特徴があることがわかります。
あなたに向いているのはどちらの食育資格なのか判断しやすくなるでしょう。
食育インストラクターと食生活アドバイザーは違いが分かりにくい
食育資格は様々な種類がありますが、その中でも迷いやすいのが、食育インストラクターと食生活アドバイザーですよね。
どちらも評判の良い人気資格という共通点の他に、芸能人に人気、初心者からプロまで対応、食育について広く学べるといった共通点があるため、違いがわかりにくいのです。
どちらも芸能人に人気の食育資格
食育インストラクターは、安田美沙子さん、ギャル曽根さん、和田明日香さんなどが取得しています。
食生活アドバイザーは、仲里依紗さん、佐々木希さん、ローラさんなど多くの芸能人が須得している資格として有名です。
どちらも、料理上手の人気芸能人が多く取得しているということで、魅力的な資格ですよね。
「和田明日香さんのように料理を極めたいし、ローラさんのように素敵な手料理が作れるようになったら素敵…」などと迷ってしまいますよね。
どちらも初心者からプロまで網羅した資格
様々なタイプの食育資格がありますが、大きく「初心者向け」「プロ向け」に分けることができます。
主婦などが趣味として学ぶための初心者向けの資格、食に関する仕事に活かすためのプロ向けの資格があります。
しかし、食育インストラクターと食生活アドバイザーは、いくつかの級に分かれていて、初心者向けの級もプロ向けの級も用意されているのです。
食育インストラクターは初心者向けは「プライマリー」、プロ向けは「4~1級」が用意されています。
食生活アドバイザーは初心者向けは「3級」、プロ向けは「2級」となっています。
初心者からプロまで網羅した資格という似てる点があるので、どちらも魅力に感じてしまいます。
どちらも食育について幅広く学べる資格
一口に食育資格といっても、家庭料理だけメインで学ぶ資格や、介護食や幼児食をメインに学ぶ資格など様々です。
食育インストラクター、食生活アドバイザーは、一つのジャンルに特化することなく、幅広く食育を学んで知識を得られる資格です。
学べる内容が基本的に似ていることも、違いがわかりにくい要因の一つと言えますね。
このように、似ている部分が多いことから、食育インストラクターと食生活アドバイザーの違いはわかりにくく混同されがちなのです。
でも、もっと様々な角度から比べてみると、それぞれ違いがあり、その違いから食育インストラクター、食生活アドバイザーそれぞれの特徴が見えてきます。
その違いを理解すれば、どちらの資格があなたに合っているのかわかりやすくなるでしょう。
次の章では、食育インストラクターと食生活アドバイザーの違いを検証してきたいと思います。
食育イストラクターと食生活アドバイザーの違いを知るための5つのポイント
一見すると似ている食育インストラクターと食生活アドバイザーですが、様々な角度から比較してみると、違いが明らかになります。
ポイントは認定機関、受験資格、取り方、学習内容、費用を比較してみることです。
これがわかれば、どちらの食育資格があなたに合っているか知ることができるでしょう。
それでは、1つずつ解説していきたいと思います。
① 認定機関
民間資格を取得する際には、どんな団体が主催する資格なのか把握しておくと良いでしょう。
その資格の良し悪しを知る判断材料になります。
食育インストラクター
食育インストラクターを主催するのは、NPO法人日本食育インストラクター協会です。
食育を通して、健康的な体と豊かな心を育てる人材を育成することを目的としています。
この団体の特徴は、食育の第一人者である料理研究家の服部幸應先生が理事長を努めているということ。
食育インストラクターの人気なのは、服部幸應先生が手掛けている資格だからという理由もあるのです。
食生活アドバイザー
食生活アドバイザーを主催するのは、一般財団法人FLAネットワーク協会です。
食や生活に関係する様々な事業を展開している団体です。
食生活アドバイザーを育成することで社会貢献したいという想いが強い団体ということで、好感の持てる団体と言えます。
このように、2つの資格はそれぞれ認定機関が違います。
どちらも信頼度の高い団体ではありますが、服部幸應先生が理事長を努める団体ということで、NPO法人日本食育インストラクター協会のほうが、やや魅力を感じますね。
② 受験資格
次に受験資格を見てみましょう。
資格によって受験資格は大きく違います。
ハードルが高い受験資格もあれば、反対にとてもハードルが低い受験資格もあります。
その資格の難易度を知ることもできるので、比較しておく必要がありますね。
食育インストラクター
食育インストラクターの受験資格は複雑なので、表にまとめたいと思います。
プライマリー | 通信講座「がくぶん」を受講 |
4級 | ①推進校に通学 ②研修会へ参加 |
3級 | ①4級取得者で推進校に通学、または一般社団法人全国料理学校協会「上級」取得者 ②プライマリー取得者で推進校に通学 ③プライマリー取得者で推進校に未通学 ④食育に関する国家資格等取得者、または当協会賛助会員 |
2級 | ①3級取得者で推進校に通学、または一般社団法人全国料理学校協会「准教師(助教員)」以上取得者②3級取得者で推進校に未通学 ③プライマリー + 食育に関する国家資格取得者 |
1級 | ①2級取得者 ②栄養教諭 |
このように、初心者向けの級であるプライマリーは、認定講座「がくぶん」の通信講座を受講することが条件となるのでシンプルです。
しかし、4級以上になると、複雑になってくるので注意が必要です。
食育インストラクターの受験資格は複雑であり、ここでお話すると長くなってしまうので、こちらの記事「食育インストラクターの受験資格を徹底解説!」で詳しく解説したいと思います。合わせてご覧ください。
食生活アドバイザー
食育インストラクターの複雑な受験資格とは違い、食育アドバイザーの受験資格は、なんと「特になし」です。
初心者向けの2級も、プロ向けの3級も受験資格はありません。
受験の制限はなく、食生活に興味のある方ならどなたでも受験できることになります。
このように、一見同じように見える2つの資格ですが、受験資格は大きく異なります。
食育アドバイザーは受験資格が全くないので、非常にハードルが低いです。
受験資格だけを比較すると、食育アドバイザーのほうが魅力的に見えますね。
③ 取り方
次に、最も重要な部分と言える取得の取り方について比べてみましょう。
受験資格が複雑でも、取り方が簡単であればスムーズに資格を取得できます。
逆に受験資格がなくても、取り方が難しければ、資格取得は簡単ではありませんので、きちんと取り方を把握しておきましょう。
食育インストラクター
食育インストラクターの資格の取り方は、初心者向けのプライマリーと、4~1級に分けて考える必要があります。
プライマリー
協会の認定講座である「がくぶん」の通信講座を受講し、カリキュラム修了後に課題を提出します。
その課題が70点以上なら合格となり資格を取得することができます。
自宅で課題を作成するだけなので、初心者でもきちんと学習すれば問題なくクリアできるでしょう。
4~1級
4~1級の場合は、推進校か研修会に参加して勉強すことになり、食育授業や調理実習を受けた上で、試験を受けます。
授業の必要単位が取れて、試験で合格点が取れば資格取得という流れがメインです。
1級になると、活動報告やレシピ考案なども合格の必須要件に加わります。
推進校は全国に200校近くあるため、比較的通いやすいでしょう。
協会の公式サイトから、推進校をチェックしてみてくださいね。
研修会は東京を中心に開催されていますが、コロナ禍の影響でオンラインで実施される場合もありますので、最新情報は協会公式サイトをご覧ください。
大まかな取り方はこのような内容であると理解しておいてくださいね。
しかし食育インストラクターの取り方は、級によって細かくことなる点があります。
ここで詳しく説明すると本題からそれてしまいますので、こちらの記事「食育インストラクターの級ごとの取り方について」で詳しくご説明したいと思います。詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
食生活アドバイザー
食生活アドバイザーの取り方は、独学か通信講座で試験勉強をした上で、試験会場にて試験を受けるというシンプルなシステムです。
2021年の試験会場は、札幌、仙台、さいたま、千葉、東京、横浜、新潟、金沢、静岡、名古屋、大阪、神戸、広島、福岡でした。
試験時間は3級、2級ともに90分、受験科目も共通となっています。
食生活アドバイザーの取り方は、こちらの記事「食生活アドバイザーの試験について徹底解説」「食生活アドバイザーの受け方」でもっと詳しくご説明したいと思います。
テキストを購入して独学で勉強しても良いのですが、通信講座で学習したほうがスムーズに試験対策できるでしょう。
協会の認定講座はユーキャン、学校法人産業能率大学総合研究所、JMAM通信講座の3つです。
それぞれカリキュラムに沿って2~4ヵ月ほど学習することになります。
このように、食育インストラクターと食生活アドバイザーの資格の取り方を比較してみると大きく異なることがわかりますね。
初心者向けの級、プロ向けの級をそれぞれ比較するとわかりやすいでしょう。
食育インストラクターの場合、初心者向けのプライマリーを取得するなら、通信講座を受講して課題を提出するだけなので、とてもハードルが低いと言えます。
食育アドバイザーは初心者向けの3級であっても、試験会場で受験することになるので、やや難しく感じますね。
食育インストラクターのプロ向けの級である4~1級を取得する場合は、推進校や研修会で本格的な授業や実習を受けた上で試験を受けることになるので、時間も費用もかかります。
でも、より深い食育知識や実践的なスキルを身につけることができるメリットがありますね。
推進校や研修会でしっかり勉強した上で試験を受けるので、真面目に勉強していればそれほど難易度は高くないでしょう。
食育アドバイザーのプロ向けの級である2級を取得する場合は、3級と同じように試験会場で受験することになります。
学習方法は、テキストを購入して独学勉強するか、協会の認定通信講座で学習することになるので、忙しい方でも安心ですね。
ただし、直接講師からサポートを受けることはできないので、自分自身で試験対策を頑張る必要があります。
このような違いを考慮して、あなたにとって取りやすいと思うほうの資格を選んでくださいね。
④ 学習内容
次に学習内容を比較してみたいと思います。
食育資格と一口に言っても、求められる内容は異なるため、学習する内容も異なります。
自分が身につけたい知識やスキルを学べる資格なのか確認しておくことが大切ですね。
食育インストラクター
食育インストラクターは、通信講座、推進校、研修会にて以下のような内容を学習します。
プライマリー | ・食育の3本柱の理解 |
4級 | ・食育の3本柱の理解 ・食育基本法 ・食生活指針と食事バランスガイドの理解と活用(朝食の重要性) ・食の安心・安全(食材選び、賞味期限・消費期限等) ・現代日本の食生活の実態 |
3級 | ・食育の3本柱、食生活指針、食事バランスガイドの活動 ・食材についての基礎知識 ・栄養学の基礎知識(五大栄養素等) ・食習慣とマナー、伝承 ・食を取り巻く問題(自給率。環境問題・人口問題) ・国・地方公共団体等の取組み |
1級、2級 | ・食の安心・安全2(食品安全委員会、食品衛生、トレーサビリティシステム、JAS法、HACCAP、食品添加物、遺伝子組み換え食品、環境ホルモン) ・健康増進1(食生活指針、栄養素と栄養バランス、生活習慣病予防(血圧・血糖値・コレステロール値)、骨粗鬆症予防、アレルギー、ダイエット、選食、WHO、特定保健用食品、サプリメント) ・健康増進2(アレルギー、ダイエット、選食、WHO、特定保健用食品、サプリメント) ・食の伝承2(旬、郷土料理、行事食、伝統野菜、地産地消) ・食の形態1(介護食、咀嚼、個食・中食、マタニティー食、乳幼児・成長期の食事、レトルト・チルド・冷凍食品) ・食の形態2(個食・中食、レトルト・チルド・冷凍食品) ・食の環境(エコロジー、エコファーマー、世界の食料事情、WTO農業交渉、食料自給率、食の流通) ・食育活動1(自治体・学校・家庭の取り組み) ・食育活動2(食育推進活動報告) ・食育総論まとめ |
このように、級が上がるにつれて、食育についての深い知識、スキルを学ぶことになります。
1、2級は合同です。
食育の指導者として胸を張れる内容を学習することがわかります。
食生活アドバイザー
食生活アドバイザーは、テキストや通信講座を利用して、以下のような内容を学びます。
級 | テーマ | 学習内容 |
3級 | ウェルネス上手になろう | 栄養・運動・休養の観点から健康管理の基礎を学習する |
もてなし上手になろう | 食習慣やマナーから美味しく楽しい料理の基本を学ぶ | |
買い物上手になろう | 安心安全な食材選びを学ぶ | |
段取り上手になろう | 食中毒予防、ゴミ処理問題、から環境問題まで家庭の食卓をテーマに学ぶ | |
生き方上手になろう | 費者の視点から食業界について学ぶ | |
やりくり上手になろう | 日常生活の知恵となる世界の仕組みなどを学ぶ | |
2級 | 栄養と健康 | 健康全般の幅広い知識を身に付け、健康をアドバイスの方法などを学ぶ |
食文化と食習慣 | 日本伝統の行事食・旬・季節・食材の結びつき、食事のマナーなどを学ぶ | |
食品学 | 食品の期限表示から環境問題などの食品学を学ぶ | |
衛生管理 | 食品衛生からHACCP方式による安全な食ベ方や衛生環境などを学ぶ | |
食マーケット | 現代の食仕様の実態や食流通などを学ぶ | |
社会生活 | 日常生活の中の消費者問題や環境問題などを学ぶ |
食育アドバイザーの3級は消費者の立場から、2級は食を提供する立場から食育を学ぶ内容となっています。
家庭で活かすための食育資格を取りたいなら、3級でも十分満足できる内容ですね。
このように、食育インストラクターも食生活アドバイザーも、食育知識を幅広く網羅できる資格と言えます。
家族や子供の食生活に活かすことが目的なら、どちらの資格でも学びたいことを学習できるでしょう。
ただし、より専門的な食育知識を学びたい、スキルを磨きたいという方は、食育インストラクターのほうが満足できる内容と言えます。
⑤ 費用
最後に資格取得にかかる費用を比較したいと思います。
資格を取るためには、当然費用がかかります。
資格によっては何十万という高額な費用がかかる場合もありますので、しっかり確認しておきたいですね。
食育インストラクター
食育インストラクターは級によって費用が大きく異なりますので、表にしてお伝えしたいと思います。
プライマリー | 受講料39,900円(がくぶん) |
4級 | 授業料は推進校の規定による、筆記試験受験料2,200円、資格申請料6,600円 ※研修会費用は非公開 |
3級 | 授業料は推進校の規定による、受講料10,000円、受験用5,500円、書籍代2,130円、資格申請料6,600円 |
2級 | 受講料25,000円(13,000円)、受講料(食育)5,500円、受講料(調理)5,500円、資格申請料14,300円(8,800円) |
1級 | 受講料25,000円(13,000円)、受講料11,000円、資格申請料27,500円(16,500円) |
()の中の金額は、協会会員価格となっています。
ポイントは、授業料は推進校の規定によって異なるためわからないということ。
全国にある推進校は様々なタイプのスクールなので、それに合わせた金額設定になっており、一概に授業料がいくらと言えないのです。
食育インストラクターを検討するなら、まずはじめに推進校の費用を確認することをおすすめします。
認定機関「NPO法人日本食育インストラクター協会」の公式サイトから推進校を確認し、その推進校の授業料を確認してくださいね。
立地的に通える推進校が何校かある場合は、それぞれの授業料を比較すると良いですね。
級が上がるにつれて、受講料や受験料は高くなりますが、一般的な資格費用と言えます。
食生活アドバイザー
通信講座を利用して食生活アドバイザーを取得する場合は、受講料がかかります。
3つの通信講座の受講料は以下になります。
通信講座 | 受講料(税込) |
ユーキャン | 39,000円 |
学校法人産業能率大学総合研究所 | 17,600円 |
JMAM通信講座 | 15,950円 |
ユーキャンの費用は高く設定されていますが、教材やサポート体制が非常に充実しているのでコスパは良いです。
また、級ごとの受験料は以下になります。
級 | 受験料(税込) |
2級 | 5,000円 |
3級 | 7,500円 |
2,3級併願 | 12500円 |
食育インストラクター同様に、一般的な受験料と言えます。
このように、費用を比較すると食育インストラクターのほうが全体的に高い印象がありますね。
通学や研修会に参加するため、当然その費用がかかります。
1、2級は、食生活アドバイザーの2級と比べてよりプロ向けな内容になるため、その分受験料も高く設定されているのでしょう。
費用をできるだけおさえて資格取得をしたいなら、食生活アドバイザーが良いですね。
食育インストラクターと食生活アドバイザーは違いを理解して選ぼう
今回は食育資格の中でも似ている食育インストラクターと食生活アドバイザーの違いについた考えてきました。
どちらも女優さんやモデルさんからも人気の資格ということ、食育全般を広く学べることなど共通点もありますが、「認定機関」「受験資格」「取り方」「学習内容」「費用」を1つずつ比較してみると違いがあります。
その違いがわかれば、あなたにとってメリットの多い資格はどちらなのか判断できるはずです。
さらに詳しく比較したい方は、それぞれの資料請求をしてみると良いでしょう。
その資料を見て、今回ご説明した5つのポイントを詳しく比較してみてくださいね。
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