食生活アドバイザーは食全般的な幅広い知識を身につける資格です。
そのため、他の資格とも組み合わせやすい資格となっています。
例えばホームヘルパーの資格を持つ方が食生活アドバイザーも取得することで、訪問介護のサポートを強化できるなど、スキルアップすることができるのです。
そのような資格の1つに「薬剤師」があります。
一見全く違う資格に見えますが、食生活アドバイザーは「食」で健康を提案する資格、薬剤師は「薬」で健康を提案する資格ということでリンクする部分が多いのです。
具体的に食生活アドバイザーと薬剤師にはどんな共通点や違いがあるのでしょうか。
それがわからないと、ダブルライセンスを目指すメリットがあるのか判断しにくいですよね。
今回の記事では、食生活アドバイザーと薬剤師の違いを解説し、さらに食生活アドバイザーと薬剤師のダブルライセンスがおすすめな理由もご説明したいと思います。
食生活アドバイザーは薬剤師におすすめの資格？2つの資格の違いが知りたい
薬剤師の資格を持っていれば就職に困ることはないと思うかもしれませんね。
しかし、近い将来、薬剤師が増えることで働く環境が厳しくなるとも言われています。
ダブルライセンスを持つことができれば、周りの薬剤師より優位な立場で仕事や転職ができるという利点があるのです。
周りの薬剤師にない強みがあることで、自信を持つことができ、活躍できる場も広がりますね。
きっとあなたも、薬剤師以外の資格を取ることを検討されているのでしょう。
薬剤師と相性が良いと言われているのが食に関する資格です。食育資格の中でも人気が高い食生活アドバイザーは薬剤師のダブルライセンスにおすすめです。
でも、どうして食生活アドバイザーと薬剤師は相性が良い資格なのかわかりにくいですよね。
具体的にこの2つの資格にはどんな共通点と違いがあるのか比較しながら、相性の良さを考えていきたいと思います。
食生活アドバイザーと薬剤師の違いについて解説！違いから相性の良さを検証
食生活アドバイザーは薬剤師がダブルライセンスを目指す資格としておすすめです。
でも、その理由がわからないと、目指す気になれないですよね。
ここからは食生活アドバイザーと薬剤師の相性の良さを知るために、8つの項目を比較していきたいと思います
①資格内容、②試験科目、③試験日、④受験資格、⑤取得までの期間、⑥取得までの費用、⑦合格率、⑧主な就職先の8つのポイントを見ていきましょう。
まずはこの8項目を比較した表をご覧ください。
| 資格名 | 食生活アドバイザー | 薬剤師 |
| ①資格内容 | 健康な食生活を送る為のアドバイスができる人 | 医薬品全般について幅広い知識を持つ、薬の専門家 |
| ②試験科目 | 栄養と健康、食文化と食習慣、食品学、衛生管理、食マーケット、社会生活 | 物理・化学・生物、衛生、薬理、薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務 |
| ③試験日 | 年2回、7月と11月 | 年に1回、3月 |
| ④受験資格 | なし | 大学の薬学部、薬科大学の薬剤師養成課程（6年間） |
| ⑤取得期間 | 約4ヶ月 | 6年 |
| ⑥取得費用 | 通信講座（ユーキャン）39,000円 | 国立大約350万円、私立大約1,240万円 |
| ⑦合格率 | 3級：約65％、2級：約40％ | 約70％ |
| ⑧主な就職先 | 飲食店、デパート、医療・福祉・介護施設など | 薬局、病院、製薬会社、卸販売会社、行政など |
①資格内容
まずは資格内容から見ていきます。
食生活アドバイザーはすこやかな食生活を送るためのアドバイスができる人であることを証明する資格です。
薬剤師は、医薬品全般について幅広い知識を持つ、薬の専門家であることを証明する資格ですね。
このように異なる資格内容ですが、どちらも「食」「薬」で健康的になることをサポートするという点が共通点と言えますね。
②試験科目
次に試験科目の違いを見ていきます。
上表にあるように、食生活アドバイザーはその名の通り食生活全般的な知識が必要になるため、食に関する幅広い科目を勉強することになります。
薬剤師は、上表のように医学的な専門分野を極めることになるので、食生活アドバイザーとは全く違う試験科目と言えるでしょう。
食生活アドバイザーは数ヶ月独学しただけで取れる方も多い資格ですが、薬剤師は大学で何年も勉強しなければならない資格なので、当然、量も難易度も違いますね。
③試験日
試験日も違いがありますのでご説明しておきましょう。
食生活アドバイザーは年に2回、7月と11月に実施されていますが、薬剤師の試験は年に1回だけ。2～3月頃に行われています。
薬剤師の資格試験は難易度が高いですが、年に1回しかチャンスがないということで、さらに難しさを感じますね。
④受験資格
受験資格も大きな違いの1つです。
食生活アドバイザーは数ある食育資格の中でも珍しい「受験資格なし」の資格です。
食に関心がある方ならどなたでも受けることができるのが魅力でもあります。
薬剤師の試験を受けるためには、大学の薬学部、薬科大学の薬剤師養成課程（6年間）を修了する必要があります。
大学によってバラつきはありますが、薬科大学は大学の中でも難易度が高めなので、誰でも入れるものではありません。
まずは大学に入学すること、さらに6年間も勉強することを考えるとかなりハードルの高い資格と言えますね。
⑤取得までの期間
前述したように、薬剤師になるためには最低6年間勉強する必要があります。
一方食生活アドバイザーは3～4ヶ月が勉強期間の目安です。
食生活アドバイザーは3級と2級があり、1級はありません。
3級だけ目指すなら3ヶ月、2級も目指すなら4ヶ月の勉強期間が妥当でしょう。
食生活アドバイザーの学習期間については「食生活アドバイザーは何ヶ月勉強すれば良い？」で解説していますので、合わせてご覧ください。
⑥取得までの費用
次に気になる取得までにかかる費用の違いについて見ていきましょう。
食生活アドバイザーは独学することができるので、その場合はテキスト代しかかかりません。
通信講座を受講して勉強する場合も数万円の受講料なので、それほど費用はかからないでしょう。
一方薬剤師は、とても費用がかかります。
国立大の場合は約350万円、私立大の場合は約1,240万円もかかるとされています。
高い学費の大学と言えば医学部が有名ですが、薬学部もそれに次ぐ学費の高い学部と言えますね。
⑦合格率
次に、合格率の違いを見てみましょう。
食生活アドバイザーの場合は3級が約65％、2級が約40％程度になっています。
薬剤師の場合は約70％程度と高めです。
薬剤師の方が合格率が高いので難易度が低そうに見えますが、そうではありません。
6年間もしっかり勉強した上で受験するので、それまでの道のりが長い分、合格する方が多いのでしょう。
食生活アドバイザーは独学して、十分な学習ができずに受験する方も多いので合格率は低い傾向にあることが考えられます。
⑧就職先
最後に違いを検証するのは就職先です。
薬剤師になるためにはお金も時間も学力も必要であるため、とてもハードルが高いことをお伝えしてきました。
でも、資格を取得してしまえば就職先に困ることはまずないでしょう。
薬局、病院、製薬会社、卸販売会社、行政など、薬剤師として活躍できる職場はたくさんあります。
一方、食生活アドバイザーは取得しただけで就職できるという職場はなかなかありません。
ただし、食生活アドバイザーは幅広い分野を学ぶ資格なので、様々な職場で活かせるというメリットはあります。
飲食店、デパート、医療・福祉・介護施設などで、食生活アドバイザーの知識を活かして働くことができるでしょう。
ここまで食生活アドバイザーと薬剤師を比較してきました。
「食」と「薬」で健康をサポートするという共通点がある資格ですが、それ以外は大幅に違いのある資格であると言えますね。
この結果を踏まえ、次の章では、食生活アドバイザーが薬剤師のダブルライセンスにおすすめな理由をご説明したいと思います。
食生活アドバイザーが薬剤師のダブルライセンスにおすすめな3つの理由
ここまで食生活アドバイザーと薬剤師の違いについて解説してきました。
趣味として取得する方も多い食生活アドバイザーと、難易度が高い薬科大学で勉強する必要がある薬剤師なので、当然違いが多いことがおわかりいただけたと思います。
ただし、どちらも健康維持をサポートする資格という共通点がありますね。
このような食生活アドバイザーの共通点と違いが薬剤師の資格をダブルライセンスとして取る資格としておすすめする理由でもあります。
以下3つの理由から、食生活アドバイザーは薬剤師のダブルライセンスに向いているといえます。
薬剤師の知識にプラスして知識を広められる
「医食同源（いしょくどうげん）」という考え方をご存知でしょうか。
健康を維持するためには、医療も食事も重要であるという意味です。
食生活アドバイザーと薬剤師は一見全く違う資格に見えますが、食生活アドバイザーは「食」で健康を提案する資格、薬剤師は「薬(医学）」で健康を提案する資格ということでリンクする部分が多いのです。
薬剤師は薬の成分により体がどう変化するかということを学びます。そのような薬学に栄養学をプラスして勉強していけるので、健康のためには何を食べるべきか、何を食べないほうが良いのか等の知識を広めていくことができます。
「食べる物」と「薬」を同じように捉え、健康のためにどのような食事をすれば良いか考えられるようになれば、様々な患者さんにアドバイスできるようになるでしょう。
受験資格がないので受けやすい
食生活アドバイザーは受験資格がありません。
民間資格であっても、通信講座やスクールに通学することが条件である資格が多いため、薬剤師の仕事をしながら取得しようと思うと抵抗を感じますよね。
非常にハードルの高い薬剤師という資格を取得した方にとって、またハードルが高い資格を取るのは大変でしょう。
食生活アドバイザーなら自宅で独学して合格を目指すことができるので、薬剤師の方におすすめです。
勉強期間が少ないので受けやすい
食生活アドバイザーは勉強時間が少ないというメリットもあります。
3級と2級を同時に目指す場合でも4ヶ月が学習目安となっています。
時間をかけて薬剤師の資格を取った方にとって、また長期間かけて資格を取るのは抵抗があるでしょう。
4ヶ月程度なら楽に取ることができますね。
さらに、食生活アドバイザーは独学で勉強することもできますが、通信講座大手のユーキャンで通信講座を受けることも可能です。
ユーキャンの通信講座なら、わかりやすい教材と手厚い学習サポートもついているので、仕事が忙しい薬剤師でも、短時間で効率よく勉強できるメリットがありますね。
ユーキャンの通信講座の内容を詳しく知りたい方は、こちらからチェックできますのでご覧ください。
食生活アドバイザーは薬剤師のダブルライセンスにおすすめ
今回は食生活アドバイザーと薬剤師の違いをご説明してきました。
民間資格である食生活アドバイザーと、難易度が高い国家資格である薬剤師では、違いが多いことがおわかりいただけたと思います。
しかし、その違いを踏まえて考えると、薬剤師がダブルライセンスとして取得する資格としておすすめであることもわかります。
薬剤師が飽和状態になりつつあると言われる中、周りと差をつけるためにダブルライセンスを検討している方は多いでしょう。
食生活アドバイザーなら気軽に挑戦することができて、取得できた後には、あなたの強みとして活かしていけるはずです。
忙しくて勉強する時間がない薬剤師には、サポート体制が万全の通信講座ユーキャンで勉強するという方法もありますので、検討してみてはいかがでしょうか。